リスティング広告の費用と予算の決め方|開始・増額の判断

この記事で分かること
リスティング広告の予算は目標の問い合わせ件数と1件の獲得に使える金額を合わせて決めます。媒体に払う広告費を試算し、運用・制作などを含む総費用が粗利と受注率から考えた許容額に収まるかを確認してください。
- 媒体費と、運用・初期設定・制作にかかる費用の分け方
- クリック単価と問い合わせ率を変えた予算の計算例
- Google広告の平均日予算と、開始・増額・見直しを決める確認表
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本記事はGoogleやYahoo!などの検索結果に出す検索連動型広告を中心に扱います。Google広告の動画・ディスプレイなどは、形式や入札方法によって課金の考え方が異なるため、検索広告と同じ条件で予算を見積もらないようにしましょう。
費用は媒体・運用・準備に分ける
広告を始めるときは、媒体に払う額と、広告を運用するための支払いを分けます。「月の広告予算」がどちらを指すかを、社内や依頼先とそろえてください。
- 媒体費:Googleなどの広告媒体へ支払う配信費用
- 運用費:配信設計、設定変更、分析・報告などを代理店へ依頼する費用
- 初期設定費:開始時のアカウント構築や計測整備などの費用
- 制作・改修費:広告素材、ランディングページの新規制作・修正などの費用
自社で運用する場合も、設定や分析に使う担当者の時間が必要です。外注する場合は、運用費に含まれる仕事と、別見積もりになる仕事を確認します。初月と継続月では支払いが変わるため、一度だけ発生する費用を月額へ混ぜずに比べましょう。
クリック単価だけでは月額は決まらない
クリック単価制では、広告がクリックされたときに料金が発生します。平均クリック単価をCPCとすると、媒体費は「平均CPC×クリック数」で計算できます。Googleのクリック単価の説明
たとえば平均CPC400円で1,000クリックを獲得するなら、媒体費は40万円です。これは計算用の仮定で、業界の相場や配信結果を示す数字ではありません。自社の予算では対象の商品・地域・キーワードに合うデータを使います。
出稿前はキーワードプランナーの予測を確認できます。予算や地域などの条件をそろえて見積もり、配信後は実績に置き換えてください。予測値どおりのクリックや問い合わせを獲得できるとは限りません。
必要な媒体費を目標件数から試算する
月の目標を先に置く場合は、問い合わせを得るために必要なクリック数を求めます。広告をクリックした人のうち、問い合わせに至る割合を、ここではCVRと呼びます。
- 必要クリック数=目標問い合わせ件数÷想定CVR
- 必要媒体費=必要クリック数×想定平均CPC
- 媒体費での獲得単価=媒体費÷問い合わせ件数
平均CPC400円、目標20件という仮定で、CVRを変えると次のようになります。表の金額は税・運用費・制作費を含みません。
| 想定CVR | 必要クリック数 | 必要媒体費 | 媒体費での獲得単価 |
|---|---|---|---|
| 1% | 2,000回 | 80万円 | 4万円/件 |
| 2% | 1,000回 | 40万円 | 2万円/件 |
| 4% | 500回 | 20万円 | 1万円/件 |
同じ20件を目指しても、問い合わせ率の仮定だけで必要額が変わります。実績がなければ一つの予測に決めず、複数の条件で試算し、どこまで支払えるかを確認してください。20件という目標も計算例であり、統計的な検証に十分な件数を示したものではありません。
運用・制作を含む総費用でも計算する
CVR2%の例に、月の運用費8万円、制作費2万円を加えると、月の総費用は50万円です。20件を獲得した場合、総費用での獲得単価は2万5,000円になります。
媒体費40万円+運用費8万円+制作費2万円=総費用50万円
総費用50万円÷問い合わせ20件=2万5,000円/件
この運用費・制作費は計算用の仮定で、Levelerを含む各社の実際の料金ではありません。初期費用、ツール料金、社内人件費、税も含めていないため、自社の見積もりでは必要な項目を足してください。
粗利と受注率から使える金額を確かめる
試算した広告予算が使えるかは、受注で得られる粗利と、問い合わせから受注につながる割合で確かめます。希望する獲得件数に合わせて広告費を積み上げても、利益が残らなければ続けられません。
ここでは、受注1件の粗利が30万円、そのうち10万円を獲得費用以外の支払いと利益のために残す、と仮定します。顧客1件の獲得に使える総費用は20万円です。粗利は売上からサービス提供に必要な原価を引いた金額で考えます。
さらに、広告経由の問い合わせから受注する割合を20%と置くと、問い合わせ1件に使える総費用の目安は4万円になります。
(粗利30万円−残す金額10万円)×受注率20%=問い合わせ1件あたり4万円
先ほどの月20件なら、使える総費用は80万円です。運用・制作に合計10万円を使う仮定では、媒体費に使える額は70万円になります。
一方、CVR1%の試算に必要な媒体費は80万円でした。運用・制作を足すと90万円になり、総費用80万円の枠を超えます。この場合は、目標件数を見直す、問い合わせ率を改善する、依頼範囲を見直すなど、前提を変える必要があります。予算だけを70万円に抑えても、20件の獲得が見込めるわけではありません。
問い合わせから受注まで時間がかかる事業では、受注率を確認できるまでの資金も必要です。継続契約の将来利益を使う場合は、回収する期間と、その間の原価・解約を含めて見積もってください。問い合わせの重複や対象外の相談を除く条件もそろえ、受注率を高く見積もりすぎないようにします。
Google広告の平均日予算を設定する
Google広告で1日の平均予算を使う場合、ほとんどのキャンペーンでは、1日の費用上限は平均日予算の2倍、1か月の費用上限は30.4倍です。平均日予算は毎日同じ額で止まる設定ではありません。Google:費用の上限
月を通して平均日予算を1万円のまま使う例では、日によって2万円まで費用が発生し、月の上限は30万4,000円になります。これは媒体費の説明で、運用手数料などを含む総支払額ではありません。
月途中で予算を変えると、その月の上限も変わります。変更前の利用額と変更後の予算・残り日数を確認し、管理画面の予算レポートで当月の見込みを見直してください。また、予算を下げた当日も、その日の最も高い平均日予算が日上限の計算に使われます。Google:予算変更の仕組み
複数キャンペーンを運用する場合は、それぞれの設定額を確認して合計を管理します。他媒体や異なる予算方式へ、Googleの平均日予算の上限をそのまま当てはめないでください。
開始・増額・見直しを決める確認表
開始時には、何を検証する配信か、いくらまで使うか、いつ見直すかを決めます。増額時には、今の成果が採算に合い、追加の需要と対応余力があるかを確かめてください。
| 現在の状態 | 先に確認すること | 予算の判断 |
|---|---|---|
| 初めて出稿する | 成果の定義、計測、ランディングページ、対応担当、損失を許容する上限 | 対象を絞って試算し、見直す日と条件を決めて開始する |
| 採算が合い、予算で配信が制限される | 問い合わせの質、追加需要、受注率、対応余力 | 追加費用を試算して増額を検討する |
| 予算が余る | 検索需要、配信対象、広告の掲載状況 | 金額を増やす前に配信されない理由を調べる |
| 問い合わせが少ない・採算が合わない | CPC、CVR、検索語句、ランディングページ、受注率 | 原因を確認し、対象や導線を見直す |
| 計測が不正確、重複がある、対応が追いつかない | 計測と実際の問い合わせ、社内の処理能力 | 増額を保留し、計測や受け入れ体制を整える |
Googleも、妥当な獲得単価で成果が出ていて予算に制限されている場合の増額と、予算が余る場合の対象の見直しを案内しています。シミュレータなどの予測も使えますが、追加配信が同じ効率になる保証はありません。Google:予算の調整
成果が反映されるまでの時間を待つ
配信直後の数日分だけで、問い合わせや受注の不足を断定しないようにします。Google広告のコンバージョンサイクルには、クリックから成果までの時間に加え、外部から取り込む成果データが反映されるまでの時間も含まれます。Google:コンバージョンサイクル
自社の問い合わせ・受注までの期間を踏まえ、結果が反映された期間同士で比べてください。評価期間をすべての事業で「1か月」などに固定すると、判断に必要な受注結果がまだそろっていないことがあります。
増額分の費用と獲得件数も比べる
平均の獲得単価が許容額に収まっていても、追加した予算が割高になることがあります。増額前後の媒体費と問い合わせ件数を、次の仮定で比べます。
| 比較する期間 | 媒体費 | 問い合わせ件数 | 媒体費での獲得単価 |
|---|---|---|---|
| 増額前 | 40万円 | 20件 | 2万円/件 |
| 増額後 | 60万円 | 24件 | 2万5,000円/件 |
差分だけで見ると、媒体費20万円の増加に対して問い合わせは4件の増加で、1件あたり5万円です。先ほどの総費用の許容額4万円を上回るため、運用費が増えていなくても、追加した配信の採算を確認したい状態です。
この比較は確認の手がかりで、増額が4件の増加を生んだと証明するものではありません。季節、対象、問い合わせの質、成果の反映時期などが違えば結果も変わります。受注まで確認し、続ける条件を満たしているか判断してください。
開始前に予算メモをそろえる
社内の決裁や依頼先への相談では、次の項目を一枚にまとめると、配信額と採算の前提を共有できます。決められない数字は空欄のまま残し、何を調べて埋めるかを書き添えてください。
- 配信する商品・地域・検索テーマ:
- 成果の定義と目標件数:問い合わせ、購入、有効商談など
- 想定CPC・CVRと根拠:過去の実績、予測、仮定の区別
- 受注1件の粗利、残す金額、問い合わせからの受注率:
- 媒体費と、運用・初期設定・制作・ツールなどの費用:
- 試す期間、総支払額の上限、成果が出ない場合に許容する損失額:
- 結果を確認する日、増額・継続・見直しの条件、判断する担当者:
担当者と改善に使う時間を確保できる場合は、自社運用も選択肢です。外注を検討する場合は、必要な媒体費と、それを運用・改善する費用を分けて相談しましょう。代理店の見積もりでは、最低手数料、初期費用、制作・ランディングページ改修の範囲を確認してください。
Levelerへ依頼できる範囲は広告運用支援のページで、最新の費用と条件はサービス・料金表で確認できます。予算メモをもとに、配信と改善をどこまで任せるか検討したい方は、無料相談フォームをご利用ください。
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