広告代理店の乗り換えで確認すること|契約・アカウント・引継ぎ

この記事で分かること
広告代理店を乗り換えるときは、変更によって解決したい問題を整理し、今の契約と引き継げるものを確かめます。そのうえで、新旧の代理店と切替日・担当・確認方法を決めます。契約を終えることと、広告アカウントの接続を外すことは、別の作業として進めましょう。
- 契約では、解約の通知期限、費用、データや制作物の扱いを確認します。
- アカウントの管理権限だけでなく、広告費の支払いと成果の計測も引継ぎの対象です。
- 切替後は、配信・計測の継続を確かめてから、広告の成果と事業への貢献を評価します。
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乗り換える前に、何を変えたいかを整理する
「成果が悪い」だけでは、新しい代理店に期待する仕事が決まりません。問い合わせが少ないのか、問い合わせは来るものの商談にならないのか、報告や改善の進め方に不満があるのかを分けてみてください。
たとえば、次のように確認する対象を整理できます。
| 困っていること | 先に確かめたいこと | 次の代理店に確認すること |
|---|---|---|
| 広告からの問い合わせが少ない | 配信先、広告文、予算、問い合わせまでのページやフォーム | 何を調べ、どの作業から改善するか |
| 問い合わせが商談や受注につながらない | 流入した人と対象顧客の一致、問い合わせ内容、その後の対応 | 広告経由の問い合わせ件数と、商談・受注をどう分けて評価するか |
| 報告と実態が合わない | 何を成果として数え、どの期間・条件で集計しているか | 計測や集計条件の確認をどこまで担当するか |
| 改善の提案や実行が進まない | 提案内容、担当、承認待ちの作業、契約上の対応範囲 | 提案・承認・実作業を誰が担当し、どう進めるか |
この表は確認のための例であり、特定の不調原因を断定するものではありません。今の代理店に、原因の見立てと次に行う作業を説明してもらうことも、変更を判断する材料になります。
広告の配信を変える必要があるのか、サイトや計測、社内の対応を見直す必要があるのか。ここを整理しておけば、新しい代理店の提案も同じ条件で比較できます。
契約終了までの条件と、費用を確認する
切替日を決める前に、現在の契約書・申込書・利用規約を確認します。口頭で聞いた内容と書面が違う場合や、複数の契約がある場合は、そのまま予定を確定せず、契約の相手方に確認しましょう。
| 確認すること | 書面や担当者に確認したい内容 |
|---|---|
| 契約期間と更新 | 最低契約期間、更新日、自動更新の条件 |
| 解約の手続き | 通知期限、通知先、必要な方法、契約終了日 |
| 終了までの費用 | 残る運用費、広告費の精算、引継ぎ作業費などの有無 |
| データと制作物 | 受け取れるもの、形式、提供時期、継続利用できる範囲 |
| 引継ぎへの対応 | 対応する担当者、必要な依頼、作業範囲と期限 |
解約を何日前に伝えるか、途中で終了したときに費用が発生するかは、実際の契約によります。契約書を確認せず、一律の日数や「違約金なし」を前提に進めることは避けてください。解釈が分かれる条項は、法務担当者などに確認する対象として残します。
費用を比べるときは、新しい代理店の月額手数料に加え、初期設定、引継ぎ、制作、計測の作業も確認します。準備期間に新旧の費用が重なるなら、いつから何の費用がかかるかを見積もりでそろえます。
アカウント・支払い・計測を、それぞれ引き継ぐ
広告アカウントにログインできるだけでは、引継ぎが済んだとはいえません。新しい担当者が必要な作業を行えること、広告費を支払えること、成果を数え続けられることを別々に確かめます。
Google広告は、管理用アカウントとの接続解除の影響を確認する
Google広告では、代理店が複数の広告アカウントを管理するために、クライアントセンター(MCC)アカウントを使うことがあります。MCCとのリンクを解除しても、対象の広告アカウントの履歴が失われるわけではありません。
一方で、旧代理店側の共有リストや成果計測、請求の設定に依存していると、解除による影響があります。Googleの公式ヘルプでは、共有リストを使う配信、MCC側で管理するコンバージョン計測、毎月の請求書発行による支払いについて、それぞれ影響を説明しています。自社の設定に該当するものを、解除前に確認してください。Google広告ヘルプ:リンク解除の影響
「旧代理店のアクセスを外す」予定だけを先に決めず、新しい管理体制で配信・計測・支払いを続ける準備と、実施する順序を新旧の担当者と合意します。代理店経由の請求を変更する場合は、請求先の移行手続きが必要になることもあります。Google広告ヘルプ:別の代理店への移行
Meta広告など他の媒体でも、既存アカウントを使い続けられる条件と、必要な権限・支払い設定を媒体ごとに確認します。Google広告の手順を、そのまま他媒体へ当てはめないようにしましょう。
解析ツールとタグの管理も、広告アカウントとは別に確認する
GoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーを使っている場合は、それぞれの管理者、対象のアカウントやプロパティ、代理店に渡す権限を確認します。
Googleアナリティクスでは、アカウントとプロパティの単位で権限を管理します。タグマネージャーにも、アカウントの管理と、タグを編集・公開するための権限があります。レポートを閲覧できることと、設定やユーザーを管理できることを混同しないでください。アナリティクスの権限管理、タグマネージャーの権限管理
旧代理店が使っていた外部の計測・レポート作成ツールがあれば、その契約が終了した後も使えるか、データをどの形式で受け取れるかも確認します。
素材と運用の記録は、受け取るものを具体的にする
広告アカウントとは別に、次のような資料を引継ぎの対象として挙げます。すべての納品や継続利用が当然に認められるとは限らないため、契約と提供元の条件を確認したうえで合意してください。
- 広告文、画像、動画、リンク先ページと、受け取れる場合の編集用データ
- 過去のレポートと、指標の定義・集計条件
- 成果として数えている行動、タグや外部ツールの一覧
- 試した施策、変更した理由、継続する設定、保留中の作業
- 審査への対応や、関係する社内担当者との確認事項
パスワードの共有を前提にせず、各サービスのユーザー招待や権限付与の方法を確認します。契約、素材の利用条件、媒体上の操作条件を分けて整理することが大切です。
新旧の代理店と、切替日・担当・完了条件を決める
引継ぎでは、「何を渡すか」に加えて「誰が、いつ、何を確認したら完了か」を決めます。担当が曖昧な作業は、切替予定日までに担当を決めておきましょう。
| 作業 | 決めておく担当 | 完了を確認する材料 |
|---|---|---|
| 契約終了と費用精算 | 自社窓口と旧代理店 | 終了日、通知の受領、精算する費用の合意 |
| アカウントとデータの確認 | 自社窓口、新旧の代理店 | 対象一覧、必要な権限、受領した資料 |
| 支払いの切替 | 自社の支払い担当と関係する代理店 | 適用日と、切替後の支払い設定の確認 |
| 配信と計測の確認 | 新代理店と自社の確認担当 | 配信状況、計測設定、確認した内容の記録 |
| 旧代理店のアクセス整理 | 権限を管理する担当者 | 合意した作業の完了と、残す・外すアクセスの確認 |
準備と実作業に必要な期間は、アカウントや契約の状態によって変わります。「何日あれば必ず終わる」と一律に考えず、確認が必要な作業から日程を組みます。
切替直前に大きなキャンペーンやサイト変更がある場合は、同時に変えるものを整理してください。どの変更が結果に影響したかを確かめられるよう、作業日と変更内容を記録しておきます。
切替後は、配信・計測と成果を分けて確認する
切替後は、まず広告の配信と計測が予定どおり続いているかを確認します。広告費が使われていることだけでなく、対象の広告が配信され、想定した行動を計測できているかを見ます。
その後の成果比較では、期間、予算、対象、成果の定義などの条件をそろえます。切替と同時に計測する行動や集計方法が変わっていれば、件数や単価の変化だけで代理店の良し悪しを判断できません。
問い合わせ型の事業なら、問い合わせ件数と、有効な相談・商談・受注を分けて確認します。予約型なら予約先への移動と予約完了、通販なら購入件数と売上など、事業の目的に合う結果まで見られる範囲を新しい担当者と決めましょう。
乗り換え前に整理した問題に対して、何を変更し、どの結果を確認するのか。そのつながりが説明されているかを、定例の報告でも確認します。
新しい代理店へ渡す依頼メモ
候補会社には、同じ情報を渡して提案を比べると、支援範囲や費用の違いを確認しやすくなります。分からない項目は、未確認のまま残して構いません。
| 項目 | 書いておくこと |
|---|---|
| 変更を考えた理由 | 今の運用で困っていることと、変えたい結果 |
| 現在の運用 | 媒体、対象の商材、予算、主なリンク先 |
| 契約の条件 | 更新日、通知期限、希望する切替時期 |
| 引き継ぐ対象 | アカウント、計測、素材、データの確認状況 |
| 任せたい作業 | 配信改善、広告文、画像・動画、サイト改修、計測など |
| 社内の体制 | 窓口、確認・承認する人、支払いを担当する人 |
| 比較したい条件 | 成果の定義、支援範囲、担当体制、費用、報告の進め方 |
提案を受ける際は、自社の問題をどう捉え、どの作業を優先し、何を依頼範囲に含めるかを説明してもらってください。成果の約束だけで選ばず、切替準備と、その後の改善を進める体制まで確かめます。
Levelerの広告運用支援では、現在の媒体や目的を伺い、対応する支援内容をご案内しています。広告文の作成・改善、画像や動画の制作、リンク先ページの改修などは、依頼する作業によって対応範囲と費用が異なります。
乗り換えを検討している方は、上のメモを参考に、現在の状況と任せたい仕事をお知らせください。無料相談はヒアリング中心で、広告アカウントの分析や具体的な改善提案は含みません。
公式情報の確認日:2026年11月7日。媒体の仕様や契約条件は、実施時にあらためて確認してください。

